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コントロールド・サーキュレーション誌のアンマッチ

「コントロールド・サーキュレーション誌」が、なかなか上手く行かない理由は、「作り手(出版社/編集部)」と「受け手(読者)」に大きな温度差が有るからではないかと思っています。

書店販売雑誌や直販誌は、読者が自ら望んでお金を支払い購読しているので、雑誌の執筆者や編集者、そして雑誌自体に対する忠誠度が非常に高く、言わば雑誌に「臣従」してくれる読者です。

一方、購読希望者リストや様々な名簿から媒体に適当と思われる各種条件に沿って出版社が審査/抽出した人に無償で送付する「コントロールド・サーキュレーション誌」の読者は、どうしても相対的に帰属意識や忠誠度が低くなりがちです。

巷にたくさんの「フリーマガジン」が溢れている現在にあっては「あぁ、素晴らしい無償雑誌を本当にありがとう」と感謝してくれる読者は、少数だと思います。特に創刊直後は「お試し購読DM」として送付される事も多いので「なんか変な冊子が送られてきたゾー」という印象を持つでしょう。

そして、作り手は作り手で有償雑誌読者と長く付き合ってきた編集者が新たに「コントロールド・サーキュレーション誌」手掛ける場合、こんなに良い情報満載なのに無償で読めちゃって「良かったな、キミたちは幸せ者だぞ、コノヤロー!」と思ったりしてしまうと、読者とのズレは悲劇的なまでに拡大ということになります。

「コントロールド・サーキュレーション誌」を運営していく為には、貴重な情報、有用な情報を提供しつつも、独善的な啓蒙を嗅ぎ取られるような特集は封印し、決して上から目線にならず、「厳しい条件をクリアした読者様」に対して少し謙った位置からサポートをして差し上げるというポジショニングが必要なのだと思います。雑誌主導と感じさせないイベントやコミュニケーション・サービスの在り方も考えないといけないでしょう。
あたかも「執事」のようにというと、少し違うかもしれませんけど。

コメント (2)

石田:

いつも大変お世話になっております。「EE Times Japan」の石田と申します。コントロールド・サーキュレーション誌を発行する立場として、コメントさせてください。

私どもでは創刊時から、雑誌を受け取られた読者が「これほど役に立つ雑誌がタダで送られてくるなんて、素晴らしい!」と思っていただけることを目標に、誌面強化や読者サービスに取り組んできました。まだまだ不十分な点はありますが、ありがたいことに、これまでにかなり多くの読者から、上記のようなお言葉を頂戴しております。

無料であれ有料であれ、大切なことは、いかに「顧客価値」を提供できるかだと考えており、現在も全社一丸となって、提供価値の向上に試行錯誤を繰り返しているところです。ご指摘の「編集者の目線」も、価値を大きく左右する要素になります。今後も肝に銘じて誌面づくりを進めてまいります。

ぜひ様々なメディアの発展に向けて、引き続き応援をよろしくお願い致します。

石田様、コメントありがとうございます。

「コントロールド・サーキュレーション誌(......適当な翻訳語が欲しいですね)」の中でも、電子デバイスや生産財系の媒体は欧米生まれの「元祖・直系子孫」で歴史もありますから、読者側にも「受け入れる文化」が醸成されている感じはありますね。

本エントリーを書くにあたって意識していたのは、貴社媒体のような「電子/機械系」ではなく、間口が広くターゲットが絞りきれていない新進媒体/開発途上媒体の行く末を案じての事でした。

情報が膨張・増殖・氾濫する中で「雑誌」という紙に昇華した情報パッケージの在り方の真価が問われていますが、これからも是非、頑張っていただきたいと思います。

今後とも宜しくお願い致します。

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